亀井伸孝の研究室 |
ジンルイ日記つれづれなるままに、ジンルイのことを |
日本語 / English / Français |
最終更新: 2008年5月27日 |
[←前の日記へ] | [今月の日記へ] [テーマ別目次へ] [月別目次へ] | [次の日記へ→] |
■『アクション別フィールドワーク入門』文化人類学会の主力商品に! (2008/05/27)
■ポスター発表は楽し (2008/05/25)
■東京外大と龍谷大 (2008/05/24)
■学会前夜に飲みたい焼酎 (2008/05/23)
■研究者ねらいの振り込め詐欺を考える (2008/05/18)
■自分で仕事を増やすタイプの人 (2008/05/17)
■文化講演シリーズ「アフリカの手話の世界」 (2008/05/13)
■目まぐるしい越境通勤 (2008/05/12)
■文化人類学会の分科会「アクションというフィールド」 (2008/05/10)
■編集者は外科医!? (2008/05/09)
■雨だれ、キーボードをうがつ (2008/05/08)
■言語研修「フランス語圏アフリカ手話」受講生募集開始! (2008/05/04)
■知的生産のための三つの要素 (2008/05/03)
■ゴールデンウィークをねらえ! (2008/05/02)
■校正ゲラにさようなら (2008/05/01)
2008年5月27日 (火)
■『アクション別フィールドワーク入門』文化人類学会の主力商品に!
3月に刊行なった拙編著『アクション別フィールドワーク入門』。その派手な表紙が、発行元である世界思想社のトップページを飾っています(2008年5月27日現在)。今週末に京都で開催される日本文化人類学会の大会で、出版社としてお店を出すのにあわせ、主力商品として私どもの本をご紹介くださった。まことに感謝に堪えません。
思い起こせば、この本の企画が産声を上げたのが、去年の同じ文化人類学会の会場でのことだった。編者(予定)の一人であった私が、世界思想社の編集者の方とばったり出会い、立ち話で盛り上がり、懇親会で一緒にビールを飲み、意気投合した。
学会の翌日に企画書を書きあげてすぐに送り、その月のうちに社内会議を通していただき、そしていろいろあったあげく、ともかく9カ月後に本ができあがった。[詳細]
ちょうど1年後の今大会で、完成した本をご披露する運びとなる。「主力商品として、平積みにしてアピールします!」と、その編集者の方は意気込んでいる。
1年は短い。しかし、やればできる。約束を果たした達成感と、幸運なめぐり合わせへの感謝の気持ちとともに、ここにご紹介したいと思います。
以上、編者拝。
2008年5月25日 (日)
■ポスター発表は楽し
今回の学会で、初めて「ポスター発表」をした。壇上に上がってしゃべる「口頭発表」ではなく、会場内の掲示板に研究成果を貼り出して発表する形式である。今回、私は会場にパソコンを持ち込んだ。来場者に実際にクリックしてもらい、データベースの使い心地を体感してもらうことが発表のねらいなので、壇上での演説よりも、一カ所にお店を出して自由に見に来ていただく方が合っている。
よかったこと。そこに座っているだけでいろんな人が通りかかり、立ち寄ってくれること。
「どうぞー。クリックして遊んでいってください」と声をかければ、みなさん時間を忘れて画面に夢中になる。使い勝手がいいとか悪いとか、こういう機能がほしいとか、雑談のなかでアイディアをいろいろ教えてもらえる。時間を気にせず質問や議論をしているついでに、世間話したり学界マル秘情報が飛び交ったり。この「双方向的な感じ」は、おもしろくてやめられない。
また、人の集まる場ができるから、そういう人がまた人を呼ぶ。ついでに資料をもらったりチラシをわたしたり。これで、お茶でも出せたら最高ですね。
疲れたこと。そこにいるかぎり、常時「発表中」ということになる。土日二日間の全日程が発表時間だから、気が休まらない。「データベース見せてよ」と言われたら、お客さんを断ることはできない。
学会でのポスター発表は、ともすると「口頭発表より格下である」と見なされることがある。もちろん、口頭の方が適している内容もあるだろう。でも実は、真のインタラクティブな学会発表はポスターにあり、と思う。
今回、すっかり味をしめてしまった。これは癖になりそうだ。研究者のみなさん、口頭発表ばかりにこだわるのではなく、ポスター発表の長所を活かす魅力的な発表を工夫してみませんか?
2008年5月24日 (土)
■東京外大と龍谷大
今年のアフリカ学会が開催されたのは、京都の龍谷大学。大学案内を見ていて、龍谷大学と私の勤務校である東京外国語大学との間に、奇妙な共通点を見つけた。
それは、
・アジア・アフリカの名をもつ地域研究の部局があること
・警察学校の隣にあること
まあ、深い意味はないと思うんですけどね。
「実は地下道でつながっていた!」
なんていう想像力が、いろんな文学を生んだりするのだと思います。
2008年5月23日 (金)
■学会前夜に飲みたい焼酎
明日からの学会に参加するため、京都に出張。旧友と晩飯に行った。焼酎がいろいろとあるお店である。学会発表の前夜にふさわしい焼酎はどれだろうと、銘柄をながめる。
「百年の孤独」(宮崎、麦)
…だれも発表を見にきてくれないのは、あんまりに悲しかろう。やめた。「野うさぎの走り」(宮崎、米)
…ちらっと発表を見て、走るように立ち去ってしまう。これもやめだ。「無一物」(長崎、麦)
…おまえの発表には何も中身がない、ですって? いや、やめとこう。「中々」(宮崎、麦)
…なかなかおもしろいな、だったらいいけれども、なかなか進んでないな、だったら困る。微妙な感じだからやめよう。「吉兆宝山」(鹿児島、芋)
…よいきざし、宝の山。先が楽しみなひとことで、学会の前祝いにふさわしい。1杯目はこれにしよう。「夢想仙楽」(福岡、麦)
…よし、パラダイスを夢見てがんばるぞ。2杯目はこちら。酒杯を重ねつつ気合いを入れました。
2008年5月18日 (日)
■研究者ねらいの振り込め詐欺を考える
私の友人である若手研究者。これまで縁のなかったある研究プロジェクトへの招待の一報を受けたとき、一瞬こう思ったそうである。「え、私を招待? …もしや、新手の振り込め詐欺では?」
もちろん、それは彼の実績を評価した上での本当のご招待だったので、まさしく杞憂だったのだが、研究の資源とチャンスを切望する若手研究者たちの境遇は、詐欺の温床になりうるかもしれない。そんな危惧を抱いて、警告の意味でこの日記を書いてみた(以下はすべて創作です、念のため)。
「このたび、貴殿の著書が○○学会最優秀賞の最終候補にノミネートされました。選考委員会の最終審査は、△日に予定されています。つきましては、審査用の著書を必要部数用意するため、○万円の納付をお願いいたします」
「編集委員会における慎重な検討の結果、貴殿の優れた業績に鑑み、学会誌○号の特集『…』にご寄稿いただきたいとの結論にいたりました。なお、論文の掲載条件として、△日までに投稿料○万円を納付していることが前提となります」
「○○先生の退官祝賀会ならびに論文集刊行を企画する運びとなり、貴殿に発起人・編集委員をお引き受けいただきたくご連絡いたします。つきましては、賛同金○万円を、○○先生に代わりまして本事業の企画を担当しております弊社口座当てにご入金ください」
若手研究者のみなさんにうかがいます。一瞬、ふらっときませんでしたか?
ご用心、ご用心。確かに研究業績を積み上げる上で費用がかかる場面はありますが、「いきなり入金から始まるチャンス」というのは、おそらくないはずです。あるとしても、学会に電話するなど、必ず裏を取りましょう。
「藁をもすがる思い」が詐欺の温床になるというのは世の常です。若手研究者の境遇のしんどさが、まちがっても詐欺師たちの餌食とならないよう、お互いに注意と警告を発し合いつづけましょう。
2008年5月17日 (土)
■自分で仕事を増やすタイプの人
私はこれまで、いくつかの大学や学部、研究所を転々としてきた。立場や専攻の違いをこえて、それぞれの職場で気の合う先生たちに何人かめぐり合ってきた。振り返ってみると、そういう人たちには何となく共通点がある。一言でいえば「自分で仕事を増やすタイプの人」であることだ。これは決して悪い意味で言っているのではない。
(1) 好奇心旺盛で、おもしろいことをいろいろと思いつく。
(2) 思いついたら、すぐに「じゃあ、やろう!」と実行に移す。
(3) 言い出しっぺだから自分でやらなきゃね、という責任感がある。
こうして、口からでまかせの着想がどんどん具体的なプロジェクトになり、それらを自分で引き受ける性格も災いして(?)、次つぎに仕事が増えていく。しんどいなー、とぼやくこともあるけれど、もともとおもしろがってやる口だから、けっこう多忙を楽しんでいるふしもある。
私は、おもしろいことに時間と労力を惜しまないこういう活動的な人たちに敬意を覚えるし、何よりも思いつきを投げ合って形にしていくのが楽しくてたまらず、こういう人たちと意気投合しては一緒に仕事を増やしてきた。
顧みれば、私自身が仕事を増やす傾向のある人なのかもしれない。この性格が損なのか得なのかは分からないが、充実した研究活動につながってきたことは確かである。そう、こういう「おもしろがり屋」の先生たちは、本や論文をものすごくたくさん出しているということも、また事実なのである。
「同僚」と呼ぶのもおこがましいけれど。同じ職場で意気投合して仕事をすることができるご縁に感謝しつつ。これからもどうかよろしくお願いいたします。
2008年5月13日 (火)
■文化講演シリーズ「アフリカの手話の世界」
ただいま受講生募集中の言語研修「フランス語圏アフリカ手話」には、語学以外にも有意義な学びのひとときがあります。言語研修ではおもに語学として手話を学びますが、それだけでなく「文化講演」というお楽しみ企画が付くのです。毎週金曜の午後、1日ゲスト講師を外部からお招きし、アフリカ各地の手話、ろう文化、ろう者の歴史やろう教育についての講演をしていただきます。
内定しているゲスト講師は4人(日本のろう者2人、日本の聴者1人、ケニアのろう者1人)。テーマとなる地域は、ケニア、ウガンダ、タンザニア、ザンビア、エジプト、チュニジア、モロッコにおよぶ予定。
こんな勉強ができる機会は、そうそうあったものではありません。コーディネータをしているほかならぬ私自身が、「こんな授業を受けてみたい」と思ってしまうような企画です。
今年の夏の東京外大キャンパスは、「アフリカのろう文化」総特集ということで、熱くいきたいと思います。
くわしくは、こちらをごらんください。
2008年5月12日 (月)
■目まぐるしい越境通勤
私の自宅は、神奈川県相模原市にある。職場は、東京都府中市の東京外国語大学。「じゃあ、神奈川から東京に通勤しているんですね」
ええ、まあそうなんですが、通勤で使う路線は、相模原市や川崎市(以上、神奈川県)、町田市や多摩市(以上、東京都)がややこしく入り組んでいるところを通るので、都と県の境界を何度か行ったり来たりしているはずである。
1回の通勤で、何回くらい都県境を越えているのだろう。地図でたしかめた。すると、
神奈川(自宅)→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京(大学)
と経由していることが分かった(片道)。1時間ていどの乗車で、なんと11回も境界を越えていたのである。だから、往復であれば
神奈川(自宅)→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京(大学)→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川→東京→神奈川(自宅)
となる(もう、ええって)。
知らんかった。1時間で11回だから、平均5-6分に1回、境界を越えていることになる。そうとも知らず、私はのんびりと車内で本など読んでいたではないか。もしこれが国境だったら、1日の通勤で22回パスポートチェックを受けなければならないところであった。
東京都と神奈川県が紛争で国境警備を厳重にしたりしないよう、心から祈りたいと思います。
2008年5月10日 (土)
■文化人類学会の分科会「アクションというフィールド」
2008年5月31日-6月1日、京都で開催される日本文化人類学会の大会で、『アクション別フィールドワーク入門』の執筆に参加したメンバーたちによる分科会「アクションというフィールド」が開催されます。これは、前の職場で4年にわたって続けたワークショップ「多文化と幸せ」の、成果ご披露の舞台でもあるのです。
さて、発表者たちは幸せな形でこの企画を終えることができるでしょうか。(汗)
多くの方のご来場、討論へのご参加をお待ちしています。
日本文化人類学会第42回研究大会
分科会「アクションというフィールド」(分科会代表者: 亀井伸孝)2008年6月1日(日)(第2日目)10:15-12:15
京都大学吉田南総合館(北棟)3階38講義室(H会場)※この分科会に一般参加するためには、文化人類学会大会参加手続き(有料)が必要となります。詳しくは大会公式サイトをご参照ください。
2008年5月9日 (金)
■編集者は外科医!?
先日、「本の編者は電車の車掌みたいな仕事」というネタを書いたところ、知り合いの出版社の編集者の方がたから、おもしろかったという感想をいただいた。私「編者が車掌なら、出版社の編集者は?」
編「ホームで乗客を押し込む駅員でしょうかね。でも、同時に外科医でもありますね」
私「え、外科医?」
編「はい。原稿をバッサリ切ったりはったりします」
私「せめて内科医くらいで…」
編「いいえ、外科です」(笑)
以前、私が大学である雑誌の編集を担当したとき、「編集は介護に似ている」と思ったことがあるけれど。プロの現場はそんな甘いものではないらしい。
どうぞ、お手柔らかにお願いいたします。
2008年5月8日 (木)
■雨だれ、キーボードをうがつ
3年打ち続けた、ノートPCのキーボード。ついに一部分ガタがきて、キーボードだけ新しいものに取り替えた。いっそ本体ごと交換を、という考え方もあるけれど、まあ使い慣れているし、今のところ不足はないし。本体とは、もう少しお付き合いが続く予定。
さて、古いキーボードを取り外してしげしげと眺めてみた。ものすごくすり減っているキーがあることに気付く。
もっとも摩滅していたのは、ちょうど左てのひらの真下にある「コマンド」キー(Appleマーク付き)。それとSで保存、それとXでカット、それとCでコピー、それとVでペースト。文章を書きながらショートカットを使うため、数秒に一度の割合で使う癖がある。ここがボコッと凹んでいた。指と爪だけでここまで摩滅するかというほどで、まさに「雨だれ石をうがつ」というさまである。
何十万回叩かれたか分からないこのキーたちのおかげで、あの本とこの本ができた。そんなことを思いつつ、古いキーボードに別れを告げる。どうもありがとう。
2008年5月4日 (日)
■言語研修「フランス語圏アフリカ手話」受講生募集開始!
今の職場である東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)で、夏休みを利用した「言語研修」という語学の集中講義(100時間)を担当することになりました。研修言語は「フランス語圏アフリカ手話 (LSAF)」。詳しくはこちらの特設ページをご覧ください。
毎日4時間×25日間、つまり5週間ぶっ続けで、アフリカの手話漬けになります。日本で、少人数制のクラスで、アフリカのろう者からじっくりと手話やその文化・歴史を学べる機会は、そうそうないでしょう。このような企画を決定し、私にまかせてくれたアジア・アフリカ言語文化研究所の英断には、(身内ではありながら)敬意を表します。
言語研修は1967年に始まり、去年までに計40回開催されてきました(不開催の1969年を除く)。2007年までののべ108種類の言語は、すべて音声言語でした(これまでの研修言語一覧)。
41回目の今年、初めてそのリストの中に手話言語が登場することとなり、アフリカからろう者の講師を招いて開催する運びとなりました。
5月1日、応募受付開始。応募〆切は6月20日(郵便大学必着)。聞こえる方も聞こえない方も歓迎です。この夏、カメルーンから来日するろう者の手話講師とともに、東京外大キャンパスでみなさまのお越しをお待ちしています。
以上、言語研修講師(兼手話通訳者、兼コーディネータ)拝。
2008年5月3日 (土)
■知的生産のための三つの要素
知的生産のために重要なものは何だろう。いつの頃からか、私は三つの要素に分類した心がけをするようになった。一つ目は「いい脳」。なによりも、快活に働く頭をもつこと。健康管理。早起きのコーヒーで目を覚ます。疲れたら休憩。ちゃんと飯を食う。なるべく早寝する。二日酔いになるべからず。
二つ目は「いいネタ」。インプットがなければ、新しいものは生まれない。フィールドの素材。いい本との出会い。おもしろい人に会う。同僚との放談もメールのやりとりも研究会参加も本屋めぐりも、いわばすべて「ネタ探しの旅」である。
三つ目は「いい手帳」。脳とネタを組み合わせ、きちんと作品に仕上げるためのノウハウをもつこと。スケジュール管理。机の整理。使いやすい文房具。ネタの記録と保存。書類作成。資金獲得。〆切遵守。編集者との信頼関係。そして適切な社交と礼儀。みな作品を作るためのツールであり、資源でもある。
私は、手帳使いがきわめて下手くそな人だった。生意気にもそういう側面を軽視していて、失敗を重ね続けた。アフリカで教わった「いいネタ」に背中を押されるように物を書き始め、さんざん痛い目にあったあげく、最近では少しずつ「いい手帳」を使いこなせるようになってきた。
この日記でよく知的生産技術について書いているのも、「みんなもっと『いい手帳』をもちましょうよ!」という、研究者や学生のみなさんへの同志的呼びかけでもあるのだ。決してバカにできない要素だと、自分の失敗歴からしみじみ思うからである。
さて。私の最大の課題は「いい脳」かな。頭は取り替えがきかないから、長持ちするようにしておかないと。酷使・夜ふかし・深酒は控えて、脳を大切に。
2008年5月2日 (金)
■ゴールデンウィークをねらえ!
超多忙な人たちに用事を頼みたい場合、どうやって持ちかけるのがいいだろう。無い知恵をしぼって私が思いついたのは、「休暇前に仕事を頼むこと」。そうすれば、余裕のできた時間をちょっとふりむけてくれるかもしれない。かつて、知り合いの出版社編集者が言っていた。
「校正ゲラを、土日の前に著者のところに届けましょう。そうすれば、休日にやってくれるでしょうから」
何ともおそろしいささやきである。今年は、ついにやりました。ある編集者と共謀し、「ゴールデンウィーク前の駆け込み依頼」をしたのだ。もっとも、うまくいくかどうかは休みが明けてみないと分からない。
こちらからの依頼が一通り終わったときに、別件でメールが入った。
「急なお願いですみませんが…」
しまった。私の連休も、ほかの編集者にねらわれているではないか。原稿を取ったり取られたり。しょせんは同じ業界、同じ穴のムジナである。連休中、少しは仕事にふりむけ、少しは休み、お互いあんまりギズギスせずにやりましょう。
みなさま、よいヴァカンスを!
2008年5月1日 (木)
■校正ゲラにさようなら
連休を前に、研究室の大掃除を断行した。3月に刊行なった編著書『アクション別フィールドワーク入門』の校正ゲラの山を発掘。ぺらぺらとめくってみると、いろいろを思い出す。
分担執筆者のみなさんの努力と達成。担当編集者との緊密な連絡の数かず。編集委員たちとの連日の濃厚な議論。次つぎと明らかになる難題。〆切をめぐる攻防。方針についての激論。そして、赤ペンを握りしめてゲラと対峙する孤独な闘い。
本が1冊できるまで、実にさまざまなことがあった。はげしかった1年をふりかえりつつ、感謝と惜別の思いとともに、分厚い校正ゲラの束を故紙に出した。
校正ゲラにさようなら。そして、新しい仕事の足音がまた近づいている。
このウェブサイトの著作権は亀井伸孝に属します。