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亀井伸孝の研究室
亀井伸孝

ジンルイ日記

つれづれなるままに、ジンルイのことを
2009年2月

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最終更新: 2009年2月26日
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■日本福祉大でワークショップ (2009/02/26)
■偏微分の夢 (2009/02/25)
■東京外大はまだ合併しないんですか (2009/02/24)
■アジ研の「卒業論文」 (2009/02/21)
■丸善事典、毎日新聞で紹介 (2009/02/20)
■派遣総理大臣 (2009/02/19)
■刑務所で手話の勉強 (2009/02/18)
■春がきた、どこにきた (2009/02/13)
■祝・200歳の誕生日: ダーウィンとリンカーン (2009/02/12)
■かにと露天風呂 (2009/02/11)
■ピタパのやきもち (2009/02/10)
■NHKラジオ国際放送で「アフリカの手話」 (2009/02/03)
■通勤電車で見かけた非和解な二人 (2009/02/02)
■「洗脳」が「洗脳」を笑う (2009/02/01)


2009年2月26日 (木)

■日本福祉大でワークショップ

関西学院大学COEプログラム(2004-2008年度)の一環として行われていた、若手フィールドワーカーの連続ワークショップ「多文化と幸せ」

親COEの終了とともに、ワークショップも、去年の3月に本を1冊完成させて終結したわけですが、このたび日本福祉大学とのジョイント企画として、1日だけ復活することとなりました。

「調査する/される」の関係をこえ、ともに幸福を生み出すことができるフィールドワークを考えるために。みなさまのご来場、ご参加をお待ちしています(手話通訳ご希望の方は、3/6までにお申し込みください)。

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ワークショップ
「フィールドワークから人々とつながる: 現場から生まれるアクションとファシリテーション」
 主催:日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センター
 協力:「多文化と幸せ」研究会

このワークショップは、3/13,17,18の3日間にわたって行われる、日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センターシンポジウム「アジア福祉社会開発の方法」の一部として開催されます。
■日時、会場
2009年3月18日(水)10:30-16:30
日本福祉大学名古屋キャンパス(名古屋市中区千代田5-22-35)

■趣旨

対象の社会や人びとの「変化を支える」目的で行われる福祉や開発の実践と、「理解する」ことをねらいとする研究は、それぞれ異なった視点と方法で現場に関わろうとする。しかし、それらは互いに異質なこととも言えず、多くの共通点が見られるだろうし、現場でのさまざまなアクションやリアクションを通じて、実践と研究に二分できない活動や立場が生まれることもある。

このワークショップでは「フィールドワーク」を共通の切り口としながら、「実践/研究」「調査する側/される側」の二分法をこえた現場での関わり方を、具体的な事例にもとづいて考える。福祉や開発の専門性から「あえて降りてみる」ことで現場から見えてくることを重視しながら、ふたたび専門領域にフィードバックできることは何かについても議論したい。

■プログラム

亀井伸孝(東京外国語大学)+小國和子(日本福祉大学):「テーマ解題」

セッション1「フィールドワークからアクションへ」
間宮郁子(国立障害者リハビリテーションセンター):
 「文脈の中の聞き手として人類学者ができること、できないこと:
  精神障害者福祉施設における、当事者と施設内価値観のはざまで」
飯嶋秀治(九州大学大学院):
 「Involvement, Development, and To Be Clinical」
 (まきこまれること、開発/発達すること、臨床的であること)

セッション2「アクションからフィールドワークへ」
黒崎龍悟(京都大学大学院):
 「ファシリテーターとしての研究者は可能か: フィールドワークの二段階プロセス」
清末愛砂(島根大学):
 「The Researcher as Activist/The Activist as Researcher:
  an Exploration of Methodological Dilemmas in a Palestinian Study」
 (アクティビストとしての研究者/研究者としてのアクティビスト:
  パレスチナ研究の調査方法をめぐるディレンマに関する考察)

コメント:平野隆之(日本福祉大学)
まとめ:穂坂光彦(日本福祉大学)
司会:吉野太郎(関西学院大学)/亀井伸孝(東京外国語大学)

[詳細はこちら]

■参加申し込み

お申し込みはこちらから
参加費は無料です。定員(150人)になり次第締め切ります。
手話通訳をご希望の場合は、3月6日までにお知らせください。

■問い合わせ

日本福祉大学アジア福祉社会開発研究センター(担当:森・吉田)
〒460-0016名古屋市中区千代田5-22-35
TEL:052-242-3082、FAX:052-242-3076
E-mail: arc-sympo[a]ml.n-fukushi.ac.jp

(※)「多文化と幸せ」研究会とは

関西学院大学COEプログラムの一環として開催されたワークショップ「多文化と幸せ」の参加者を中心としたフィールドワーカーのネットワークです。[これまでの活動歴]


2009年2月25日 (水)

■偏微分の夢

今朝がた、偏微分の夢を見た。いきなりなんでだろう、偏微分なんて10年以上も触っていないのに。

偏微分って何ですか?と尋ねる人たちに対して、私は夢の中で説明をしていた。

ほら、x と y と、動くところが二つあるでしょう。x は、手でぐっと握って動かさないんです。y の方だけ、つかんでゆさゆさと揺すってごらん。結果も少し動くでしょう。一方を止めて、一方だけを揺さぶるという、これが偏微分なんです。

こんなことを、洗濯物がたくさんぶらさがった物干竿を揺すりながら、解説していたのである。

目が覚めた。なぜ物干竿でなければならないのかはよく分からないが、中身はまあ妥当なことを言っている。むかし仕込んだ「数学の体感的な理解」は、今も体のどこかに残存しているらしい。

今の私は、「文化人類学」「アフリカ地域専攻」など、いくつかの肩書きをもって世渡りをしている。しかし、私という堆積物のかたまりの中には、表には見えないとんでもなく古い地層が含まれている。それが、ときどきこうやって夢に出てくることがあるのだ。


2009年2月24日 (火)

■東京外大はまだ合併しないんですか

2007年10月、大阪外国語大学は大阪大学と合併し、大阪大学「外国語学部」となった。

最近、時どき学外の方に聞かれることがある。

「で、東京外大はまだ合併しないんですか?」

「で」ってあなた、どういう論理のつながりでそうなるのかな。一個の独立した国立大学法人に対して、何と失礼な。しかも「まだ?」という聞き方である。笑うしかありません。

大阪外国語大学が、大阪大学の一部になった。
↓ ということは、つまり
東京外国語大学も、東京大学の一部になるだろう。
こういう、なんの根拠もないが語呂の上では分かりやすい連想が、少なからぬ世の中のみなさんの頭の中に浮かんでいるようである。

いや、実相は知りませんけれど。とりあえず、そういう予定は聞いていません。(笑)


2009年2月21日 (土)

■アジ研の「卒業論文」

2005年4月から、日本貿易振興機構アジア経済研究所(アジ研)での共同研究に関わってきた。

文化人類学者として、アフリカのろう者コミュニティの言語と文化の調査を行っていた私は、最初にお声掛けをいただいたときに「え、私がですか?」と思ったものである。アジアも経済も開発も深く関わってこなかった私に、何ができるだろう。

縁あって、第一期「開発問題と福祉問題の相互接近: 障害を中心に」(2005-2006年度)、第二期「障害者の貧困削減: 開発途上国の障害者の生計」(2007-2008年度) のチームに加わり、お付き合いは4年間におよんだ。4年と言えば、大学生が入学してから卒業するまでの長さに等しい。

調査法の違い、用語や概念の違い、視点や目的の違い、調査期間の短さや〆切の早さ(!)などなど、異なった業界との接点で、多くの新しいことに出会うことができた。

・直接の成果として、共著書1冊、報告書・雑誌論文4本、現地調査1回、発表10回。(詳細)
・触発を受けた関連成果はあまたあるけれども、とくに単著1冊、編著1冊、国際開発学会の賞1つ。

公式、非公式にいろいろとご依頼をいただくようにもなり、ずいぶんと育てていただいた。

おととい、最終報告論文を仕上げて提出。4年間をまとめた「卒業論文」を出したような気持ちである。

この3月で研究会委員としての任期が終わり、いち文化人類学徒に戻るわけですが。「フィールドワークを人びとの幸福のために使うぞ!」という思いが刻み込まれた私は、もとの私には戻れそうにありません。この機会に得た人脈を大切にしながら、今後とも世のお役に立てる研究に励みたいと思います。

よい機会をありがとうございました。>アジ研のみなさま


2009年2月20日 (金)

■丸善事典、毎日新聞で紹介

日本文化人類学会編の新しい『文化人類学事典』(2009年, 丸善) で、初めて「手話」が見出し語として立項されたことが、毎日新聞電子版で報道された。
「文化人類学事典に初めて手話の項目--ろう文化理解への広がり期待」

日本文化人類学会編の最新版『文化人類学事典』(09年1月丸善刊)に「手話」の項目が加わった。日本の文化人類学事典に「手話」という見出し語が掲載されたのは初めて…[全文を読む]

(毎日新聞ユニバーサロン, 2009年2月17日)

これは、私の手柄ではありません。

・ろう者の文化が人類の文化のひとつ(数かず)だと主張してきた、世界中のろう者のみなさまの手柄であり、
・そのことにきちんと目を向けてきた文化人類学の先人たちの手柄であり、
・今回、手話を立項することを決断した、日本文化人類学会の編集委員各位の手柄です。

私の役割は、そういう無数の積み重ねを、約3,000字に圧縮して紹介すること。これは最初の突破口、むしろこれからが正念場なのです。

「え、当時はこのていどで新聞記事になったの」

そんな感じで笑い飛ばせるくらい、当たり前の認識になる日がきますように。

以上、執筆担当者拝。


2009年2月19日 (木)

■派遣総理大臣

最近の日本の首相は、だいたい1年で辞めることが多い。それなら、いっそはじめから、首相を非正規雇用にしておくのはどうだろう、と思いつく。

任期1年。契約更新のときに審査あり。給与は勤務地の東京都の最低賃金(時給766円)で計算し、土日は無給。ボーナスなし、有給休暇なし。ただし、任期中だけは寮に住んでよい(公邸ではなく)。

「どうせ、だれがなっても同じだよ」などと言われているのだから、派遣会社がいくらでも人材を供給してくれるでしょう。勤務態度が悪ければすぐクビにして、代わりをすえることもできる。政策などは、アウトソーシングで民間のシンクタンクにまかせたらよいことだ。

これをやったら、与党も派閥もぜんぶ雲散霧消してしまうかもしれないね。権力の源泉たる頂上のイスが消えてしまうのだから。

それでも、どうしても首相になりたい? そういう人たちは、麻生さん、与謝野さん、小池さん、石破さん、石原さん、みんな派遣会社に登録したらいいのでは。もちろん、別の職場に派遣される可能性は高いでしょうけれど。


2009年2月18日 (水)

■刑務所で手話の勉強

おやっと興味を引く記事を見つけた。

「刑務所の職業訓練が多様化 受刑者も意欲的」(2009/02/03, 産經新聞)

「美祢社会復帰促進センター」(山口県美祢市)は、官民が共同運営する全国初の刑務所。そこでの矯正教育の一環として、「手話」という科目があるのだとか。

へー。どんな人が、どんなふうに手話を教えているのかな。そして受講生たちの様子は? 当然、山口地方の手話を教えているのだろうなあ。

調べてみたら、ちゃんと刑務所のサイトで紹介されていました(写真入り)。

■受刑者の職業訓練について(その3)【手話基礎科について】(2009年2月2日)

なんと、全受刑者に対する訓練、つまり「必修科目」ということだ。これは徹底している。

手話の勉強といえば、手話サークルや市の講習会というのが定番だった。やがて、専門学校、民間企業、大学でも取り組むようになり、そして今や、刑務所での教育にも。

「獄中で手話に出会いました」という人が、今後増えるのかな。ぜひばっちりマスターして、出所後に手話通訳者として活躍していただきたいと思います。


2009年2月13日 (金)

■春がきた、どこにきた

春がきた 春がきた
どこにきた♪
鼻にきた のどにきた
目にもきた♪

じわじわとやってきました、この季節が。

「杉花粉前線」なるものが、徐々に北上しています。あれの来襲を、実力で阻止する方法はないものか。

この季節、私は避暑ならぬ「避粉」に出かけたい。どこか、花粉フリーのオアシスはないだろうか。ノートパソコンを抱えて、「暴粉」がやむまでしばらく巣ごもりをしていたい気分である。

団結がんばろう(?)、花粉症のご同輩。


2009年2月12日 (木)

■祝・200歳の誕生日: ダーウィンとリンカーン

1909年2月12日、まったく同じ日に生まれたチャールズ・ダーウィンとエイブラハム・リンカーンが、今日そろって生誕200年を迎えました。どうもおめでとうございます。

いずれおとらぬ世界的な有名人、この二人を比べてみたらどうなるだろう。

[ひげ]ダーウィンは白く、リンカーンは黒い。いや、ダーウィンも若いときは黒かったのでしょうけど。

[経歴]ダーウィンは医学生(ただし中退)、リンカーンは弁護士。理系と文系の雄といったところでしょうか。

[縁のある乗り物]ダーウィンは海軍の船に乗り組み、リンカーンは鉄道会社の弁護をした。海洋国家イギリスと、大陸国家アメリカの違いと言っていいのかな。

[本業]ダーウィンの進化論は生物科学全域に浸透するだけでなく、人間観もがたがたにしてしまった。リンカーンはアメリカの分裂を回避して、今日の超大国への道を付ける。

[副産物]ダーウィンの自然選択説は優生思想や人種主義などとも親和的に論じられることがあったが、リンカーンの奴隷解放は黒人たちを鼓舞した。

[生誕200年のできごと]ダーウィンの親族が創業した名門陶磁器会社ウェッジウッドがつぶれ、米国初の黒人大統領がリンカーンの聖書に手を置いて就任した。

さて、どちらが世界を変えたのでしょうか。私は「アメリカの偉人」リンカーンよりも、「人類全体の人間観をゆさぶってしまった」ダーウィンの方が思想的にインパクトがあるように思いますが、一般的な人気度でいうと、リンカーンの方に軍配が上がるかもしれませんね。

みなさんは、どちらに一票ですか?


2009年2月11日 (水)

■かにと露天風呂

雑誌で見かけた、ある旅館の広告。
「かにと露天風呂!!」
ええ。カニを食べて、露天風呂に入るという、ふたつのお楽しみを組み合わせた旅館の企画であることは、常識的な判断として理解できます。

しかし、私はどうしても、「巨大なカニを抱いて湯船につかる人びと」の姿を思い浮かべずにはいられませんでした。

みなさんもいかがでしょうか、「かにと露天風呂」。ちくちくと痛そうですよね。せっかくですが、私は遠慮しようかなと思います。


2009年2月10日 (火)

■ピタパのやきもち

関西私鉄系のタッチ式 IC 乗車券「ピタパ」。関西にいた頃に使っていたこれを、関東に移った今も解約せずにもっている。

いま、関東で通勤に使っているのは「パスモ」。関東ではピタパは使えないし、関西ではパスモが使えない。関西出張が多い私は、通勤ではパスモ、出張先ではピタパというふうに、東西ふたつのカードを併用している。

さて、ある日の東京でのこと。パスモでピッと改札を通過しようとして、エラーが続出した。「ピンポーン」と扉が閉まることが続いたのだ。

なんで今日はこんなに動作不良が多いのだろう。原因が分かった。同じ定期入れに、パスモだけでなく、関西のピタパも入れっぱなしにしていたのだ。IC 乗車券が同時に2枚以上あると、自動改札機が動作不良を起こすのである。

ピタパは関東では役立たずなのに、パスモの仕事の妨害だけはする。おそるべし、ピタパのやきもち。

東海道新幹線で東へ西へと行き来するたびに、定期入れの中のカードを入れ替えることが習慣となった。東へ行く時はピタパをしまい、西に行くときはパスモをしまう。どちらも欠かせない仕事の相棒、しかし両立しえないライバルどうし。

やがて相互利用ができる日がきたら、また状況は変わるのだろうけれど。今は、ふたつのカードに住み分けてもらうため、少しばかり気を使っている。


2009年2月3日 (火)

■NHKラジオ国際放送で「アフリカの手話」

2月6日(金)、NHKのラジオ国際放送で、アジア・アフリカ言語文化研究所での言語研修を含むアフリカの手話研究のことが、世界17の言語で放送されることとなりました。

もうしわけないのは、今回の放送が「ラジオのみ」ということと「日本語では放送されない」ということ。ろう者のみなさま、また、日本語モノリンガルのみなさま、すみません。

番組紹介(いずれも2/6の番組紹介欄に掲載されています)

[アラビア語] [ベンガル語] [ビルマ語] [中国語] [英語] [フランス語] [ヒンディー語] [インドネシア語] [韓国/朝鮮語] [ペルシャ語] [ポルトガル語] [ロシア語] [スペイン語] [スワヒリ語] [タイ語] [ウルドゥー語] [ベトナム語]
アラビア語、ペルシャ語、ウルドゥー語の3言語は右から左へとつづるので、ウェブサイトのつくりも左右反転している様子が見えますね。

自分の仕事が、まるで読めない文字で紹介されたのはこれが初めてで、ちょっと不思議な気分になる。でも、写真は同じです。とりあえず、ウェブサイトの番組紹介の写真などをご覧いただきましたら幸いです。

[2009/02/06追記](2/12木まで、以下のサイトで番組を聞くことができます)

□英語で聞きたい方
[英語] > "What's Up Japan" > Listen > Friday
で聞けます。

□フランス語で聞きたい方
[フランス語] > Découvrir la langue des signes en Afrique > Ecoutez maintenant
で聞けます。

□ほかの言語(Chinese, Swahili, Arabic, Koreanなど)で聞きたい方
上記の言語別サイトの、2/6金の欄をクリックすることで聞くことができます。
なお、日本語はありません。

[2009/02/13追記]ウェブでの公開は終了しました。


2009年2月2日 (月)

■通勤電車で見かけた非和解な二人

朝の通勤電車内で見かけた、小さな事件。

ある男性が電車を降りようとしたら、カバンが車内の別の男性のカバンの金具に引っかかり、からまってしまった。引っぱっても取れない。解きほぐそうとしても、なかなかほぐれない。

「プルルルル…」発車時刻が迫り、あわてる二人。

急いで降りたい人と、乗り続けたい人。この二人にどんな選択肢がありうるだろうか。二人とも降りるにせよ、二人とも次の駅まで乗り続けるにせよ、どちらの希望も満たす解はなく、妥協の余地もまったくない。

人類はこうして、常に非和解な他者と妥協のない争いを続ける宿命にあるのだろうか、と、思わずテツガクしてしまいそうになった。

あ、取れた!(^^) いやいや、それが一番です。


2009年2月1日 (日)

■「洗脳」が「洗脳」を笑う

中国の知識人22人が連名で、国営テレビを批判する声明をウェブに公開し、話題になっているという。共産党政権の言いなりの報道は人びとに対する「洗脳」にほかならないと。

この声明に対して中国のブログでは、そういう知識人たちこそ西側の思想に「洗脳」されているではないか、といった意見が出ているとか。

そのようなブログを見つけた日本のメディアは、「洗脳」が怖いのは本人たちが「洗脳」されていると気付いていないことである、といった冷ややかな見方で紹介していた。

その記事を読んだ私は、このメディアも共産党政権支持者への批判で凝り固まっていて「洗脳」されているように見えるなあ、でも、そう思う私ももしかしたら「洗脳」されているかもしれないな、と考えた。

ん、つまり? 「洗脳」とは、「価値観」や「考え方」ということばと大差ないように思える。だれしもそこから自由になれない、その人なりのものの見方。

「洗脳」が「洗脳」を笑う。それでいいと思う。ただし、私もまた「洗脳」されている一人なのかもしれないというかすかな自覚を、常にもっておきたいと思うのだ。

かのソクラテスも言っていたではないか。自分がアホであると気付いている方がなんぼかマシである、それにすら気付いていないアホが多すぎるから、と。



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