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亀井伸孝の研究室
亀井伸孝

ジンルイ日記

つれづれなるままに、ジンルイのことを
2013年1月

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最終更新: 2013年1月31日
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■上品な研究会 (2013/01/26)
■国際関係学科第1期生の卒論完成! (2013/01/10)
■寝正月2013@ソウル (2013/01/02)
■謹賀新年2013 (2013/01/01)


2013年1月26日 (土)

■上品な研究会

知人を、ある研究会に誘ったときのこと。

私「参加してみて、どうやった?」
A「うん。なんか、上品な研究会やったね(笑)」

わかる、その感じ。討論も、運営も、資料の準備のしかたも、どこか品がいいんですよね。あるベテランの高名な先生とそれを囲む教え子たちの集まりを中心としていて、例えていえば優雅に昼下がりの紅茶を飲んでいるような雰囲気がある(ほんとうに紅茶を飲むわけではないけれど)。

…ということは、逆に「下品な研究会」というのも存在するわけ?

うん、それは実在しますね。容赦なくつっこみ、否定し、反論し、時間を守らず、相手の言うことを聞かず、大声を出し、自己主張し、居眠りし、そのくせガバッと目覚めて批判し、その批判がまた当たっているという(笑)。

よく言えば「歯に衣着せぬ闊達な論争」ということなんでしょうが。でも、下品です(苦笑)。

うーむ。どちらかというと、私は下品系の場にさらされて生き残ってきたのかなという気がする。だから、上品な研究会に参加すると、とても癒されるような感じがするのだが、何となくバシバシと批判しない方がいいのかなと気遣ってしまうことも。研究会の品というのを考える、おもしろい機会。


2013年1月10日 (木)

■国際関係学科第1期生の卒論完成!

愛知県立大学の国際関係学科の第1期生21人の卒業論文が、本日締め切られました。ふう。

くわしくは国際関係学科の公式ブログに寄稿したので、そちらを見てください。そこに書けなかったことをいくつか。

一つ目。早期治療。テーマが分かれ、個別指導になり、それぞれが分厚い原稿になってきてから、基本的な注意を個別に繰り返すのは、本当に手間である。たとえば「感情的な表現は避ける」「私的な動機はまぜこまない」「はじめの問いに最後で答えよ」「比較するなら両方のデータを提示する」「対象を選定した理由を明示せよ」。別々に論文をもってくる学生に、毎日同じことを繰り返し言っていた。こういう基本は、早期治療にかぎる。ゼミに入ったばかりの3年前期に叩き込もう。と思ったね。

二つ目。共助のすすめ。今回初めてやってみたのは、「4年生の卒論を3年生たちが回覧し、コメントを付ける」というもの。学生どうしのコメントし合いを奨励した。読む側も、読まれる側も、勉強になる。どこまでうまくいったか分からないけれど、何かのプラスにはなっただろうね。

三つ目。経験者を資源として活用する。論文を仕上げてそれを語らずに卒業してしまったら、その経験は後に残らない。私には「資源の散逸」に見えている。だから、卒業前に、何かひとこと経験を語っていってほしいと思っている。そういう仕掛けを、次第に作っていけたらいいなあ。

まあ、いろいろあったけど。完成してよかったね。おめでとう。


2013年1月2日 (水)

■寝正月2013@ソウル

年末年始、ソウルにいた。5泊6日だから、旅行としては長めの部類かも。移動日を省いて、実質なか4日です。

何しに行ったか。いや、何もしなかったんですよ。友人の家に泊めてもらって、文字通り、食って寝てゴロゴロしていました。

大晦日はちょっと頭痛もしたもんだから、オンドルのきいた暖かい部屋で、18時間ぶっ続けで寝ましたよ。元旦は、近所のサウナに行ってゴロゴロ。その後、友人と元旦の大売り出しのスーパーに行き、試食コーナーをめぐって食べ歩き。これ、おもしろかったなあ。韓国の食文化を、ただでひとめぐりできるわけ。

せっかくだから観光とかすればいいのに、と思うかも。でも、あっちも冬休みでどこにいっても行列と混雑ばかり。たまには、目的も意義もない、ただそこにいて食べて飲んで寝るだけ、何にも生産しない、学習もしない、調査もしない、異文化のなかにぼんやりたたずむだけの滞在があっていい。私はそう思う。ふだんあくせくと調査ばかりしてしまうだけに、余計そう思う。ハングルの読みは少々覚えたけれど、頭の中に語彙がないから、意味として届かない。分からなくてもいいや、という旅である。

特色があるとすれば、今回会った友人たち(自宅に泊めてくれた彼も含む)は、ほぼ全員がろう者だったこと。だから、日本手話と韓国手話を混ぜこぜにして、ちゃんぽんで楽しく過ごしていた。音声の韓国語が話せない私にとって、日本手話との共通語彙を多くもつ韓国手話での生活は、比較的、言語の壁が低いといえる滞在だった。

1月1日、韓国手話と日本手話とアメリカ手話と、三つの言語でおめでとうを述べ合い、ソジュ(焼酎)とユジャチャ(ゆず茶)で乾杯した。(備忘録: 韓国手話での新年のあいさつは、/新/東/福/多/与/頼/)

テレビをぼんやり見ていて気づいたことをメモ。朝鮮の金正恩第一書記の元旦演説のニュースが、ちょいネタで報道されていた。もっと情報統制がきついのかと想像していたが、案外堂々と報道されていたこと。そして、重大ニュースではなくちょいネタの扱いであったこと。南北の今のあり方の一端をかいま見たような気がした。

寒波到来、氷点下16度とも報じられたソウル。暖かいオンドルの上での寝正月。こういうだらっとした感じで今年は始まりました。ソウルのみなさん、どうもありがとう。


2013年1月1日 (火)

■謹賀新年2013

新年、あけましておめでとうございます。寒い寒いソウルで、年を越しました。

新年。今年は何をしよう!という目標を立てたりすることが多いですね。これって、もしや巧妙に仕組まれた教育の一環だったのかも、などと思ったり。いきさつはともあれ、今年の思いを述べてみます。

ひとつは、アラビア語。昨年の5月、珍しい言語の勉強をしたいという学生たちが集まってきて、勢いでできた「アラビア語研究会」の顧問みたいのになったのですが、私自身がさっぱりできないのではしょうがない。いずれ北アフリカを訪ねる日が来るかも、と楽しく予期しながら、アラビア語の勉強をもちっとしたいと思います。検定、受けようかな。(アラビア手話もいずれやりたい…)

もうひとつは、フランス語と中国語のスキルアップ。西・中部アフリカ仕込みで、フランス語の聞く/しゃべるはだいぶいけるつもりなんですが、書く力が追いついていなくて。フランス語で書く!ということを目標にしたいと思います。また、中国語の方は、大学の研究室の同じフロアに中国人ネイティブの教員たちがいるのに、先日(2012年12月7日)の地震のときにとっさに英語でしか対応できなかったのがとても恥ずかしい気がして。「20年来の初級会話レベル状態」を、少しでも脱したいと思います。あれれ、ぜんぶ語学系の目標になってしまいました。

逆に、「今年はしないこと」を定めてみました。

その一、深夜残業。その二、休日を仕事ですべてつぶしてしまうこと。その三、返事をためこんでしまうこと。

つまり、平日の昼間にできる仕事量を考えて、それをさっさかやって、それ以上のことは引き受けない。それ以外の時間を、多少は自分の勉強などに当てられるような私でありたいと思います。

…できるかなあ(汗)。元旦にどさどさまい込んでいるメールからして、すでに破綻の予期が…。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。



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