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亀井伸孝の研究室
亀井伸孝

ジンルイ日記

つれづれなるままに、ジンルイのことを
2018年1月

日本語 / English / Français
最終更新: 2018年1月31日

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■2018年1月のまとめ日記 (2018/01/31)
■パリ日記: フランスの年末年始の風景/新年明けましておめでとうございます (2018/01/01)


2018年1月31日 (水)

■2018年1月のまとめ日記

フランス生活4か月目。明けましておめでとうで Bonne année ! でバタバタしているうちに、1月が終わりゆきます。

今月は、なんか正月明けが猛然たるピークで、続いてストラスブールへの出張をがんばって、それが終わったらプツッと気が抜けて、後半はちょっと熱を出して寝込んだりしていました。

■正月明けに原稿ふたつ
すでに暮れに書きためていた原稿でしたが。1/4に1件、1/5に1件、書き上げて送付した。2日連続の原稿の完成と脱稿は、実にきもちがよい。

ひとつは、人種主義に関する博物館展示の論考。2万字近い、フルサイズの論文である。もうひとつは、アフリカ子ども学に関係する小論。1万字弱の、ハーフサイズの文章。

いずれも審査中。刊行の段取りが整うのを、心待ちにしています。

■ストラスブール出張
昨年からお誘いをいただいていた、ストラスブール大学での招待講演会。3泊4日でおじゃました。これは別稿にて。

■中旬と下旬:日本からまいこむ仕事のいろいろ
ストラスブール出張が終わって、パリに戻り、ホッと一息。中旬に予定していた狩猟採集民関係の行事があいにく延期になったこともあって、少し気が抜けた。という時期にあわせて、カゼをひいた。外出を減らし、自宅で、ぼつぼつとできることをした。

大学の経理の〆切があって領収書の整理をしたり。5月の日本アフリカ学会大会での「アフリカ子ども学」フォーラムの取りまとめの仕事をしたり。3月の帰国後に名古屋で開催する予定の「応答の人類学」シンポジウムの仕込みを始めたり。そして、大学からは来年度のシラバス執筆の依頼が舞い込んだり。年度末の大学の書類書きがいくつかあったり。日本文化人類学会の課題研究懇談会の関係の相談事があったり。その他、公開では書けないいくつかの用件があったり。

書き出してみると、確かに多いな…。なんだかんだと、日本発ドメスティック用件が山積みでしたね…。

ひとつ明るいニュースは、6月の日本文化人類学会大会における分科会「アフリカ子ども学と文化人類学」採択の報がまいこんだこと。海外であれ、国内であれ、自分たちの発表の希望がかなう連絡は文句なしにうれしいし、苦労して編んだ成果論集のおひろめができるということで、執筆仲間たちとのさらなる議論が楽しみだし、刊行してくださった昭和堂や地球研への恩返しにもなる。これは、がんばって準備しようと思います。

もうひとつ、よかったなと思うニュースは、職場の学生たちから、卒業論文が仕上がりました!といった報告などが何件もまいこんだこと。昨年の秋頃、緊急のゼミ会合を開いて、「1年間不在にするのでゼミと論文指導の担当ができません」という告知をした。その後、他の教員に指導を引き取ってもらったのだが、それぞれの達成を見たようで何よりです。卒業式では、お祝いを言えるかなと楽しみにしている。

■いきなり爆発したついとの数かず
カゼひいて寝込んでいるときなどに、SNS をぼんやり眺めて気を紛らすこともあったのだけれど。

今月は新年早々、Twitter でアパルトヘイト批判やら、植民地化されなかった場合の架空のアフリカ地図やら、マルコムX の話題もはじけただろうか、1,000を超えるリツイートやいいねをいただいたネタが連続した。

これまでの経験から言うと、だいたいリツイート数の100倍の人たちがその文字列を読むので。1,000リツイートであれば、だいたい10万人の目に触れたということになる。自分が放ったことばの責任の重みというものを感じずにはいられない。

この1か月で、8,650くらいから9,550くらい?へ、フォローしてくださる方がたの数が900人ほど増えた模様。もはや、知人友人関係を確かめる私的アカウントではなく、一種のメディアのような責任が伴ってきたような気もする。微熱のなか、アカウントの情報を少し整理したりした。

■【記録】今月の学術行事/博物館など
カゼをひいて熱を出して寝込んだり、胃もたれや頭痛のせいで食欲が減退したり。日本からの来客があったりもして、中旬から下旬はやや活動が減退気味だったのであるが。

そんな中でも、ちょこちょこと研究会に顔を出せたのは、気分も新たになっておもしろかった。金沢大学の正木響さんの西アフリカ通貨の話、人類博物館の Serge Bahuchet さんの新刊の話など。

20180107, Paris
Musée du quai Branly - Jacques Chirac, exposition "Les Forêts natales : arts d’Afrique équatoriale atlantique"

20180107, Paris
Musée de l'Armée

20180107, Paris
Musée de Cluny : musée national du Moyen Âge Paris, exposition temporaire "Le verre, un Moyen Âge inventif"

20180109, Strasbourg
Musée Historique de la Ville de Strasbourg

20180110, Université de Strasbourg
Séminaire « Mondialisation et mutations sociales en Afrique »
Nobutaka Kamei "La mobilité des sourds urbains en Afrique : la création de la langues des signes commune en Afrique Francophone"

20180124, EHESS
Séminaire de l'EHESS "Nouvelles territorialités entre l'Asie et l'Afrique"
Toyomu Masaki "Let's Talk about Money in West Africa and its Relations with Asia"

20180125, Musée de l'Homme
Séminaire Interdisciplinarité
Serge Bahuchet "Les jardiniers de la nature"

Les cours hebdomadaires
EHESS, FLE pour doctorants B2
INALCO, Stage Intensif Arabe, niveau 2

そして、2月を迎えます。ちょっと発表の約束などもあったり、小出張が入ったり。少し体調を整え直して、滞在のしめくくりも考え始めたいと思います。


2018年1月1日 (月)

■パリ日記: フランスの年末年始の風景/新年明けましておめでとうございます

2018年、新年明けましておめでとうございます。

今回初めて、ヨーロッパで新年を迎えました。

なお、海外で正月というのは、初めてではない。1997年と1998年の正月を、カメルーンの熱帯雨林の狩猟採集民の集落で迎えたことがある。大晦日の午後、うだるような暑さのなか、ラジオで紅白歌合戦を聞き、晩はキャッサバの焼酎を飲んでみんなで歌って踊って騒いだのを覚えている。

■フランスの年末年始の風景:クリスマスから正月まで
さて、今年のパリでの年越しはどんなだったか。フランス一般についてはさっぱり分からないので、パリ近辺の大学界隈で見聞きした自分の経験だけを書いてみる。

12月になると、多くのお店でクリスマスバーゲンが始まり、街角にはクリスマスツリーや電飾が増え、各地でクリスマスの市が立つなど、華やかなムードに包まれる。

12/22金で大学の業務は終わり、教職員も学生も約2週間の休暇に入ってしまう。

12/24日、ろう者たちが集うカトリック教会のクリスマスミサに参加した。聞こえる人も聞こえない人も大勢集まっていたが、若者や子どもたちの出席が少なく、高齢化が進んでいるなあという印象があった。その後、ろう者たちとともにティーパーティ。フォアグラをいただきながら、わいわいと歓談。深夜においとまする。静かな晩だったが、教会の出口に自動小銃をもった警察官または兵士がいて、厳重な警戒の様子をうかがわせた。寒い中、テロの警戒に当たるみなさんに、"Bon Noël !" とねぎらうのが精一杯。

12/25月は、休日。フランス人の知人のクリスマスディナーにお呼ばれ。家族や友人たちを紹介してもらい、一緒にごちそうになった。音楽かけるわけでもなく、お祈りをするのでもなく。さほどフランクというわけでもないが、宗教色のない会食という様子であった。

クリスマス後の週は、大学はお休みだったが、お店などは12/31日まで通常営業。

12/31日の昼、知人のアフリカ系フランス人+日本人の夫妻とともに、にしんそば・寿司・おしるこパーティ。

12/31日、晩は、フランス人の家庭で年越しのシャンパンの集い。クリスマスが家族重視なのに対し、年越しはむしろ友人どうしでフランクに楽しむという傾向があるそうである。テレビでマクロン大統領特別演説と年越しのショーを見ながら、ワインと日本酒を飲む。やがてテレビでカウントダウンが始まり、年が明けると、"Bonne année !" と言い合って、居合わせた友人知人たち全員とハグ、ビズ(頬を触れ合わせるキス)。テレビでは、出演者全員が軽快に踊り出す。厳かな感じというのはまったくなかった。もちろん、キリスト教会のミサなどではまた別なのかもしれないが。

1/1月は、お店もすべて休業の日。雨風が激しく、外に出るのも億劫で、また、雑煮やおせちにこだわる私たちでもないので、シードルとフォアグラのパテで、ちょっとした乾杯をする。

そして、1/2火からは、通常業務。大学は今週一杯お休みだが、企業も店舗も通常営業に戻る。という流れである。

ついでに書けば、年明け早々に、あちこちで新年大バーゲンが始まるという話も聞いた。これは未体験。

いくつか気付いたこと、大雑把に。

・教会行事を除けば、クリスマスの宗教色は意外と薄く、「家族」「年末商戦」「装飾」「贈答」「会食」という社会・経済的機能が残った行事に見えた。

・クリスマスと年越しの機能が日本とは逆である(クリスマスが家族でややフォーマルに、年越しは友人とカジュアルに)

・フランス語の備忘録として。会話では "Bon Noël !" "Bonne fête !" という人が多かったように思う。定番の言い方 "Joyeux Noël !" は、会話ではあまり使わないのかな?という印象があった。言っているのは私くらいだったので。私も周りに合わせるようになった。

・フランスの人たちはクリスマスにフォアグラを食べる。クリスマスと言えばチキンなどと決まっているわけでもなくて、実際に今回のクリスマスディナーも魚介であった。

・中国系スーパーに行けば乾麺のそばは売っているし、細かいことを気にしなければ寿司屋もたくさんある。ガンコに日本の正月をしたければ、和食の材料は適当にそろいそうな勢い。

以上、パリ近郊在住の大学人が見た、フランスの年末年始の風景でした。

■さてと、新年の抱負
年が改まって、さて、2018年の抱負を、などと、ワインのほろ酔いのなかで少し考えてみたのですけれど。

毎年思うんですが、「抱負」と「業務上の年間計画」の違いって何だろう。夢を見るのもいいけれど、すでにやることになっている予定がけっこうあって、それを満たしていたらだいたい1年が終わりそうな勢いである。

3月まで:パリに滞在
4月から:長久手の大学の通常勤務に戻る
5月:日本アフリカ学会(札幌):申請予定
6月:日本文化人類学会(弘前):申請中
7月:国際人類学民族科学連合世界大会(ブラジル):採択決定
8月:世界アフリカ言語学会議(モロッコ):採択決定

というふうに、今年の前期くらいまでは、だいたいの行動予定がある。今年の後半は、未定の要素が多いのだけれど。

それ以外のすきま時間に、どんな夢を見るか。なんてことを考える。

・新刊『子どもたちの生きるアフリカ』の刊行記念キャンペーン。
・ある依頼原稿。これをちゃんと書こう。
・科研費の申請をする。これは秋までに。
・初めての北アフリカ行き、初めての南米行きのために、アラビア語とポルトガル語の素養を少し身に付けておきたい。
・そして、アフリカ研究に関係するふたつのテーマを温め始めよう、と思っている。

あーあ。やはり書き出してみたら、だんだんと業務計画のようでつまらなくなってくる。夢といえば、四つ目と五つ目かな。未体験、未定型の目標をぼんやりと思い浮かべ始めるのは、いいですね。

とりあえず、3月の帰国まで、事件・事故なく、病気にもかからず、フランスでやりたいことを思う存分にやって、悔いなく4月から大学キャンパスに復帰できるよう備えたいと思います。

みなさま、本年もどうぞご指導いただきたく、よろしくお願い申し上げます。



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