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『手話でいこう: ろう者の言い分 聴者のホンネ』秋山なみ/亀井伸孝 |
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最終更新: 2014年8月16日 |
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最初のケンカの原因は「物音」だった──。 妻がろう者で、夫が聴者。「聞こえる世界」と「聞こえない世界」というふたつの世界の接点に立つ夫婦の日常の暮らしぶりとホンネを描く。 目次より日本福祉大学生協の推薦図書に (2010/04) 韓国語版刊行! (2009/08/19) NHK「みんなの手話」で紹介 (2007/09/01; 09/08) 『いくお〜る』「覆面書評」で紹介 (2005/08) 「読書と夕食」で紹介 (2005/11/12; 2006/01/01) 毎日新聞全国版の書評欄で紹介 (2005/10/30) 常陽新聞で紹介 (2005/10/06) 『ピア大阪ニュースドリーム』で紹介 (2005/07) 『季刊みみ』で紹介 (2005/夏) 『手話でいこう』四刷決定 (2005/06/07) 日本聴力障害新聞で紹介 (2005/05/01) 『情報誌・障害をもつ人々の現在』で紹介 (2005/03/20) 『聴覚障害者の情報と文化 GRAPEVINE』で紹介 『月刊福祉』で紹介 (2005/04) 全日本ろうあ連盟推薦図書に決定 (2005/03/16) 京都新聞で紹介 (2005/02/04夕) 『いくお〜る』59号で紹介 (2005/02) 読売新聞で紹介 (2005/01/28) |
■書誌情報・著者
タイトル:『手話でいこう: ろう者の言い分 聴者のホンネ』
著者: 秋山なみ/亀井伸孝
発行: 京都: ミネルヴァ書房
発行日: 2004年12月30日
言語: 日本語
サイズ: A5/248ページ
価格: 税込 1,575円
ISBN 4-623-04254-5【韓国語版】
아키야마 나미 & 가메이 노부타카. 2004=2009. 서혜영 (옮긴이)『수화로 말해요』서울: 삼인.
(アキヤマナミ & カメイノブタカ. 2004=2009. ソ・ヘヨン訳『スファロ・マレヨ (手話で話そう)』ソウル: サミン.)
秋山 なみ(ねこ=ろう者)
プール学院短期大学 (現プール学院大学) 英文科卒業後、OL生活などを経て、2001年同志社大学文学部に編入学、講義保障の運動に取り組む。現在、同大学科目等履修生。亀井 伸孝(かめ=聴者)
京都大学大学院理学研究科博士後期課程修了 (生物科学専攻)。現在、関西学院大学COE専任研究員。専門は、人類学・アフリカ研究。(著者の肩書きは発行日当時のものです)
■リンク
Deaf Cat's Homepage (ねこのページ)ろう者の風景 (ねこのブログ)
ミネルヴァ書房 (出版社)
「ほぼ日刊イトイ新聞-担当編集者は知っている。」(担当した編集者から)
■書評・報道
『手話でいこう: ろう者の言い分 聴者のホンネ』をご紹介くださりありがとうございます。著作権の関係上、全文の掲載はできませんが、一部をご紹介することで著者からの謝意に代えさせていただきます。また、すべての書評などをカバーできておりませんことにつきご容赦ください。
■日本福祉大学生協2010年入学生推薦図書 (2010/04) この本をお勧めします!!「聞こえる世界」と「聞こえない世界」の接点に立つお二人の日常「会話」や生活は、がははと笑えるエピソード満載でありながら、時にじっくりかみしめ、一晩考えさせられるような深いメッセージをわたしたちに残してくれます。
もしも今あなたが、「弱い人」を助けたいという思いで福祉や国際協力に関心をもっているならば、ぜひ読んでみてほしい。目からうろこのストーリーを通じて、障害だの途上国だの、私たちの助けを待っている弱い人達がどこかにいて、必要なのは一方的で寛大な援助だ、といったこちらの勝手な思い込みを、あっさりと打ち砕いてくれることだろう。
小國和子(日本福祉大学国際福祉開発学部准教授)
■NHK「みんなの手話」(2007/09/01; 09/08) 「しゅわしゅわワールド」「物音」「閉め出し」「声と手話との使い分け」の三つのエピソードが、イラスト、インタビューとともに紹介されました。
放映日(いずれも教育テレビ)
[前編] 2007年9月1日 (土) 20:00-20:25(再放送: 2007年9月8日 (土) 11:15-11:40)
[後編] 2007年9月8日 (土) 20:00-20:25(再放送: 2007年9月15日 (土) 11:15-11:40)
■いくお〜る (2005/08) 覆面書評 vol.10『手話でいこう: ろう者の言い分 聴者のホンネ』[覆面ろう者]
この本に深みを与えているのは、聴者の夫が、人類学の専門家であること。ろう者の言葉である「手話」、ろう者の「文化」を、人類学の視点から専門家として解説しているのですが、その語り口がソフトでしかもわかりやすく、非常な説得力があります。[覆面難聴者]
この本の興味深いところは、妻・秋山さんが学生として情報保障を受けるのに悪戦苦闘する点と、夫・亀井さんの人類学の研究者としての視点からのろう文化、手話言語の考え方だろう。二人とも聴者社会におけるろう者・手話の位置付けをわかりやすく読ませてくれる。[覆面聴者]
なんだかとっても楽しそうな異文化コミュ・エピソードがずらり。逆をいってしまえば、始めからお互いが異言語・異文化を持つものだと認識しているから、聴者同士の結婚より上手くいくのかもしれないと感じる部分も。こういう観点で見れば、ベストセラーとなった漫画『ダーリンは外国人』のようにさらっと読める。『いくお〜る』(ベターコミュニケーション研究会) 62号 (2005年8月): 46-47ページ.
■読書と夕食 (2005/11/12; 2006/01/01) 『手話でいこう:ろう者のいい分聴者の本音』2006-11-12著者ふたりはろう者と聴者のカップルである。(…)両者の関係がとても興味深い。ろう者の文化や感じ方を理解するだけではなく、普段聴者同士ではでてこないトピックについて会話を交わす二人のやり取りも大変興味深い。[記事の全文を見る]
「2005年の読書」2006-01-01
2005年「目からうろこ」ベストスリー
『手話でいこう:ろう者のいい分聴者の本音』『手話でいこう』では、手話について知らなかったこと考えが足りなかったことを思い知った。[記事の全文を見る]
■毎日新聞 (2005/10/30朝) 手話でいこう──ろう者の言い分 聴者のホンネ(手話を)「音声言語を補うジェスチャー」とみなす社会の偏見がろう者を今も苦しめる。本書は、読者(聴者)をそんな偏見の外へと連れ出すスリリングな異文化(異言語)コミュニケーション論だ。[記事の全文を見る]
『毎日新聞』2005年10月30日 (全国版) 朝刊: 11面 (本と出会う─批評と紹介).
■常陽新聞 (2005/10/06) 「ろう者の言い分、聴者のホンネ」
夫妻でトーク 〜つくば〜
暮らしぶりや思い語る
(本の紹介とつくば市での講演の紹介)
気が短い妻と、のんびりやの夫。性格の違いを楽しみながら暮らしていて、「互いに、ろう者・聴者だと感じていない」。(…)「(妻が)ろう者だから手話を使っているとは思わない。家に入ると、自然に切り替わる。二つの言語世界を行ったり来たりしています」
『常陽新聞』2005年10月6日朝刊: 4面.
■ピア大阪ニュースドリーム (2005/07) 書評:『手話でいこう—ろう者の言い分 聴者のホンネ—』
内容的には、ふだん聞くことが無い、大学生活や苦労話など、けっこうハードなことも書いてあると思いますが、気楽に読めるようになっています。きっと読んだ後、新しい発見や「なるほど!」と思うことが出てくると思います。[記事の全文を見る]
『KSKQピア大阪ニュースドリーム』第6号 (2005.7): 19ページ.
■季刊みみ (2005/夏) 聞こえる夫と聞こえない妻の
笑いあふれる辛口エッセイ
聞こえる者と聞こえない者の間で起こる暮らしの出来事の数々を、互いの視点から夫婦漫才のように軽快に綴ったエッセイ集。文章は簡潔で親しみやすく、エピソードには笑いがあふれている。しかし、本の根底には一貫して深刻なテーマが流れている。
『季刊みみ』(全日本ろうあ連盟) No.108 (2005 summer): 81ページ.
■日本聴力障害新聞 (2005/05/01) 全日本ろうあ連盟推薦図書
『手話でいこう−ろう者の言い分 聴者のホンネ』
ふたつの世界を結びつける接点は「手話」。この本は短いエッセイを集めたもので、軽妙でユーモアのある文体は楽しみながら読めます。
『日本聴力障害新聞』(全日本ろうあ連盟) 657号 (2005年5月1日): 3面.
■情報誌・障害をもつ人々の現在 (2005/03/20) 書籍紹介『手話でいこう -ろう者の言い分 聴者のホンネ-』
メッセージを声高に主張するのではなくて、実際に、いわば「聞こえる世界」と「聞こえない世界」の接点に立って毎日の生活をともにしている夫婦が、それぞれの本音を語る中で、具体的なエピソードやたとえ話を通して分かりやすく伝えている
『情報誌・障害をもつ人々の現在』(全国障害学生支援センター) No.46・47合併号: 23ページ.
■聴覚障害者の情報と文化 GRAPEVINE 手話でいこう
関西テイスト満載の、自称「互いの生活を暴きあうバトルトーク」の爆笑エッセイ。でもページの端々にろう者の流儀、聴者のホンネが見え隠れ。
『聴覚障害者の情報と文化 GRAPEVINE』(聴力障害者情報文化センター) No.49: 27ページ.
■月刊福祉 (2005/04) 手話でいこう
聞こえない世界と聞こえる世界の文化や価値観の違いが、ユーモアをまじえ軽妙に書かれている。
『月刊福祉』2005年4月: 108ページ.
■京都新聞 (2005/02/04夕) 本音の付き合いつづる/下京の夫婦 「手話でいこう」出版
置かれた境遇 軽妙に京都市下京区のろう者の女性と健聴者の男性の夫婦がエッセー集「手話でいこう」を出版した。聞こえない立場と聞こえる立場の夫婦の日常を通し、社会でろう者の置かれた境遇などを軽妙な語り口でつづった。2人は「ろう者と健聴者の本音の付き合い方を社会で考えるきっかけにしてほしい」と話している。
『京都新聞』2004年2月4日夕刊: 10面 (社会面).
■いくお〜る (2005/02) 手話でいこう ろう者の言い分 聴者のホンネろう者の妻と聴者の夫。互いに主張したいテーマを次々と繰り出す、エッセイのバトルロイヤル。ちょっとギャグのきついお二人の日常が、ユーモラスに描写されている。
『いくお〜る』(ベターコミュニケーション研究会) 59号 (2005年2月): 46ページ.
■読売新聞 (2005/01/28) 気軽に読めて「聞こえない世界」学べる本を/ろう者の妻、健聴者の夫が共同執筆
「手話を公用語に」願い/生活での違い軽妙にろう者の妻と健聴者の夫が共同で執筆した「手話でいこう ろう者の言い分 聴者のホンネ」(ミネルヴァ書房)が出版された。「聞こえない世界」と「聞こえる世界」にいる2人が、日常生活で感じる互いの文化の違いなどを軽妙な文章で紹介しながら、手話を言語とするろう者への社会のかかわり方や問題点を提示している。[記事の全文を見る]
『読売新聞』 (大阪本社版) 2005年1月28日朝刊: 25面 (「くらし」面).
■もくじ(●=ねこ(秋山なみ) ▲=かめ(亀井伸孝))
『手話でいこう──ろう者の言い分 聴者のホンネ』
●▲はじめに
第1章 いつものくらし
コラム (1) ろう者とは?●ろうの飼い主を呼ぶ方法
▲カウンターキッチン
▲閉め出し
▲「ろう」の二文字
▲透明ろう者の怪
▲耳が悪くなる!
▲新幹線の窓越しに
●ろう者のひとりごと
●家を借りるとき
▲物音
第2章 聞こえる世界の中で
コラム (2) ろう者と口話●朝から「?」
●家の中の手話
▲声と手話との使い分け
▲春の悪夢
●口話って歩み寄り?
●デジタルな補聴器の話
●夫婦別姓の光と闇
●流せないケース
▲町行く人の目
▲技術が解決しない言語の壁
▲テレパシーの国で
第3章 ねこ、大学へ行く
コラム (3) ろう者の言語権●ろう者が大学で学ぶとき
●カミングアウトは解放につながらない
●失われた機会
●入学式に手話通訳がつくまで
●心の不調
●レクイエム
▲耳をくれ、手をくれ
●講義保障としてのパソコン通訳
●レポートに付き添うチャッピー
●きっちり癒されない息抜き
●食べたいけど食べられないもの
▲日本手話訳ソクラテス
●聴者向けカリキュラムの苦悩
●バリアフリーと手話通訳
●ミラノ決議
▲癒えるな
●講義のひとこま アメリカ編
第4章 異文化との出会い
コラム (4) 世界の手話、日本の手話●みにくい矛盾
●旅行社の一筆文書
●フランスへの旅 (1) パリのろう者たち
●フランスへの旅 (2) 「物ごい」をするろう者たち
▲アメリカ珍道中 (1) ろう者の大学
▲アメリカ珍道中 (2) 国連に通訳を要求!
▲たまねぎ
▲聴者がしてはいけないこと
●▲あとがき
●大学への要望書(参考資料として当時のまま掲載)
■著者の言葉(ねこ&かめ)
ねこ「きっかけは何だったっけ」
かめ「手話やろう者について肩の力をぬいて
読める本があるといいね、という話だった」
ねこ「私はすぐにインターネット配信の
『デフ・ジャーナル』を創刊して、
自分の体験をどんどん書きためていったのに」
かめ「こっちがなかなか書かなかった」
ねこ「こら(怒)。一人より二人で書いた方が、
書くスピードが二倍になると思って共著にしたのに」
かめ「逆に時間が二倍かかったような(笑)」
ねこ「内容も、ほんといろいろだけど」
かめ「ふだんの暮らしから大学のこと、海外旅行まで。
手話で世界を歩くと、こういう見え方になるんだよね」
ねこ「大学の講義保障のことは、心を少し鬼にして当時の記録をほぼ再現したよ」
かめ「こっちも、手話通訳者として苦労した思いをイラストにも描きこんだよ」
ねこ「落ち着いたら、第二弾を書く?」
かめ「書く書く! 今回泣く泣く削った話題も多いし」
ねこ「条件。〆切をぜったいに守ること。守らないならもう一緒に書かない」
かめ「はいはい(苦笑)」
■ねこの言葉(秋山なみ=ろう者)
ここ10年ほどの手話ブームや、バリアフリーの社会をつくろうという動きの中で手話は少しずつ広まってきたけれど、耳の聞こえない人がどういうふうに生活しているかは実際のところよく知られていないように感じてきました。
私たち夫婦は妻がろう者で夫が聴者(健聴者)。暮らしの中からエッセーを書き出していったら、社会の縮図のような本が完成しました。肩の力を抜いて読んでたくさん笑い、少しだけまじめにろう者を取り巻く社会のありようを考えてもらえたらうれしいです。
■かめの言葉(亀井伸孝=聴者)
手話のドラマや本がブームになったりすることがありますが、いつも気になるのは、手話を話して暮らす人たちのホンネが十分に伝わってこないもどかしさが残ることです。そろそろきれいごとはやめましょう。ふだんの暮らしぶりをありのまま文章にしたためること(エスノグラフィー)が、今必要なのです。
手話に癒されないでください。
■関連日記(ジンルイ日記から)
■マイ文庫の設置 (2010/04/08)
■『手話でいこう』韓国語版刊行! (2009/08/27)
■『手話でいこう』NHK「みんなの手話」で紹介 (2007/08/24)
■『いくお〜る』の覆面書評 (2007/05/29)
■聴者のモラル (2007/05/14)
■同期の本 (2007/04/05)
■バリアフリーをめぐる世代間ギャップ (2007/01/22)
■『手話でいこう』毎日新聞全国版の書評に (2005/10/30)
■『手話でいこう』重版決定! (2005/02/07)
■『手話でいこう』京都新聞に掲載! (2005/02/04)
■『手話でいこう』いくお〜るに掲載! (2005/02/03)
■『手話でいこう』読売新聞に掲載! (2005/01/28)
■『手話でいこう』は×ですか!? (2005/01/20)
■不思議の国のアリスの気持ち (2005/01/12)
■初詣2004の採点表 (2004/12/24)
■『手話でいこう』は福祉の専門書? (2004/12/18)
■『手話でいこう』刊行! (2004/12/17)
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