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亀井伸孝の研究室
亀井伸孝

『知識資源の陰と陽 (『資源人類学』シリーズ第3巻)』

ダニエルス, クリスチャン編
東京: 弘文堂
2007年12月15日

日本語 / English / Français
最終更新: 2009年4月25日

知識資源の陰と陽

■シリーズ『資源人類学』第1-9巻

〈人類学〉の新たな挑戦
従来の資源観を大きく変え、文化や知識、空間、身体までを〈資源〉ととらえ、西洋近代以降優位に立ってきた機械技術的資源観を批判的に相対化する。

■『知識資源の陰と陽』

人間生活・生存のための知識が、どのように資源化され、所有されるか、またその中で生成される利益を他人から隠す、いわゆる秘匿する行為について論じる。さらに、知識が資源と見做される「陽」の側面以外にも、見做されない「陰」の側面についても論及する。

『文化人類学』(日本文化人類学会) に書評掲載!(2009/07)


■書誌情報・著者

タイトル:『知識資源の陰と陽 (『資源人類学』シリーズ第3巻)』
クリスチャン・ダニエルス (責任編集)
東京: 弘文堂
刊行日: 2007年12月15日
A5判, 上製, 322ページ
言語: 日本語
定価: 5,250円(税込)
ISBN: 978-4-335-51093-9 C3336

【編者】
クリスチャン・ダニエルス: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授

【執筆者】(50音順)
大塚和夫: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授
小田淳一: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
亀井伸孝: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所研究員
河合香吏: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
関根康正: 日本女子大学人間社会学部教授
西井凉子: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所准教授
宮崎恒二: 東京外国語大学理事
渡邊欣雄: 東京都立大学人文学部教授

(著者の肩書きは発行日当時のものです)


■リンク

弘文堂『知識資源の陰と陽』
Amazon『知識資源の陰と陽』
「資源の分配と共有に関する人類学的統合領域の構築(資源人類学)」


■書評

『知識資源の陰と陽』をご紹介くださりありがとうございます。著作権の関係上、全文の掲載はできませんが、一部をご紹介することで分担執筆者からの謝意に代えさせていただきます。また、すべての書評などをカバーできておりませんことにつきご容赦ください。

■『文化人類学』74-1
「書評『知識資源の陰と陽』」

第3章の亀井論文は「資源」の概念を独特な視点から捉え直す。亀井論文は、資源の概念から「良いものである」という人間中心的な価値判断を排除し、資源を「何らかの機能をもつ単位を構成する、不可欠で剥奪されうる要素」と定義する。
(…)
手話言語集団の形成過程は、ろう者が「手話という知識資源」を得る過程であり、さらには、集団維持に必要な「耳が聞こえない人びと」が「人的資源」となるというダイナミックな自己増殖過程であるという。
(…)
本書は、資源という軸から知識を捉えることで、知識論に対しても新たな位相からの貢献をなすものである。
(…)
本書の各論考に見られる個性は、文化人類学の視点から、「知識資源論」ともいうべき新領域を展開できると感じさせるものである。

田所聖志(東京大学大学院医学系研究科)

田所聖志. 2009.「書評『知識資源の陰と陽』」『文化人類学』(日本文化人類学会) 74-1: 190-193.


■もくじ

『知識資源の陰と陽 (『資源人類学』シリーズ第3巻)』
ダニエルス, クリスチャン編, 2007年, 東京: 弘文堂

序: 知識資源の陰と陽(クリスチャン・ダニエルス)

I 知識資源をめぐって

ドドスの腸占い: 牧畜民の遊動に関わる情報と知識資源の形成をめぐって(河合香吏)
知識資源としての手話(亀井伸孝)
ジャワ系マレー人とその「知識資源」(宮崎恒二)

II 動態の中の知識資源
知識を共有する、秘匿する、隠蔽する、忘却する: 記憶と記録をめぐる覚書(大塚和夫)
「資本としての知識」から「資源としての知識」への視点の移行がもたらすもの(関根康正)
資源としてのレトリック(小田淳一)

III 資源になれない知識
祖先は「知識資源」か?: 南タイのムスリム・仏教徒混住地域の事例から(西井凉子)
資源にならない知識について: 沖縄の歌謡知識「神歌」の例(渡邊欣雄)

■関連日記(ジンルイ日記から)

■マイ文庫の設置 (2010/04/08)
■若手研究者の資源 (2007/06/25)


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